peace of mind

私も いつかそこに 辿りつく

MOMO

ミヒャエル・エンデの『モモ』を読んだ。

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小学生の時に読んでから数十年ぶり。記憶とは曖昧なもので、全く覚えていなかった。子どもの時にこの物語をどう感じたのか興味深いけれど、今となっては手遅れ。

 

あっという間に読んでしまった。読みながら頭をよぎっていたのは

春樹の『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』はこれがベース?

だった。 時間泥棒と計算士--寓話的、ファンタジーな存在なのに妙にリアルで、迫ってくる。好きな展開、ストーリー。

 

自分の「時間」をどう過ごすか。人生をどう過ごすか。どう生きるのか。

 

モモと出会うことで多くの人が、大人も子どもも、自分の内面と向き合い、答えを見いだす。時間泥棒が盗んでいった人間の時間を取り返しにいくくだりは完全にRPG。出てくる人物が皆、魅力的だった。ハラハラドキドキ、これは大人になってから読むべき作品かもしれない。

 

日々時間に追われ、効率ばかりを追い求め、時間の短縮ばかりに目がいき、余った時間で何をする訳でもなく。すぐに反応、即断、即決。考えたり悩む時間さえもったいない。早く決めたい。早く次にいきたい。せっかち。

 

私はそうやって生きてきた。

早口だし、頭の回転も遅くはない。常に二、三歩先のことを踏まえて、段取りを考えるのが得意。分刻みのシナリオを考えたり、いかに短い時間で多くのタスクをこなすかを考える時に快感を感じてしまう。

麻痺していた。

 

小さい頃からそうだった訳ではない。いつの間にか、時間に追われるように生きてきてしまったんだ。

 

モモがいたら、町の円形劇場の廃墟にモモがいるのなら私も訪ねて行くだろう。みすぼらしい服装とぼさぼさの巻き毛をした小さい女の子モモに話を聞いてもらって、多分、早口で何言ってるのか分からないかもしれないけどそれでも頭の中にあることをはき出して、そうして悩みを解決してもらうだろう。

 

そうだな、私はとっくに時間泥棒に時間を盗まれていたのかもしれない。

 

ある人に、以前、言われたことがある。

人生を、時間を丁寧に生きなさい、って。

10分早く仕上げたからって、その浮いた10分にどんな意味が、価値があるのか。

スピードあげて車を追い越し、早く目的地に着いたからって、その10分の価値はどこにある?

1人で走り、そのスピードに追いつけない人を振り払うだけの価値はあるのか?

 

モモがいたらな。